ユーザー中心に盛り上がりを見せるホットクック。しかし、あまりにユーザー間でのレシピ共有が活発なためか、2020年頃をピークに出版社によるレシピ本の発売数が減少。「大人気の調理家電なのに新しいレシピ本がない」という不思議な状況下にありました。
そんななか、2024年8月に発売されるやいなやグングンと販売数を伸ばし、一躍Kindle人気度ランキング総合1位(*)までのぼりつめた話題のホットクックレシピ本があります。(*2024年8月12日時点)
それがこの「頑張らないホットクックレシピ」です。

同書は発売から半年で3,000冊近くダウンロードされ、類書でも最高峰の大ヒットを記録(商業出版であれば重版出来!)。レビュー評価も4.6点と非常に高く「ホットクックを買ったら、まずこの本」とたいへん評判です。
今回は、そんな話題書の著者である沖合菜緒さん(なおさん)をお招きし、レシピ本の制作秘話を伺います。
本書に込められた想いやおすすめメニュー、そしてホットクックと仲良くなる方法とは?
ぜひ最後までお読みください。

沖合菜緒さん(なおさん)
兵庫県出身。2018年に『勝間式食事ハック』(勝間和代・著)を読み、ホットクックを導入。その便利さに魅せられ、現在では5台を使いこなす。(HW-16H/24G/10G/16D/MN16H)
ホットクックのレシピや活用アイデアをSNSで発信するほか、ホットクックの内鍋ごと食材を計り最適な塩分量を算出する「ホットクック塩分計算機」も考案。
2024年には初の著書「頑張らないホットクックレシピ」をKindleで発売し、Kindle本の人気度ランキング総合1位獲得(2024年8月12日時点)。読書と食べ歩きが好き。
日々のごはん作りに奮闘しているすべての人へ

ーーまずはレシピ本の大ヒットおめでとうございます!
ありがとうございます!
こんなに買ってくださる方がいると思っていなかったので、素直にうれしいです!
レビューもすべて読んでいます、ありがとうございます!
ーー本書は「頑張らないホットクックレシピ」と名付けられています。また、本の書き出しにも「日々のごはん作りに奮闘しているすべての人へ」とありました。どういった想いで作られた本なのでしょうか。
家族と食べる日々のごはんは、できるだけ手作りで、美味しいものが理想ですよね。
ただ、現実問題、フルタイムで仕事をしつつ育児もして…と息つく暇もない方も多いと思います。私自身、とても忙しかったのでよくわかります。
家族の食事を思う気持ちは尊いものですが、どうか頑張りすぎないでほしい。毎日食事を用意するだけで満点なんだから、使えるものは何でも使ってほしい。だから、ホットクックで食事作りをラクにして、時間にも気持ちにも余裕を持ってほしい。
そんな願いを込めて書きました。
ーーおっしゃるとおり簡単に作れる絶品レシピがたくさん紹介されていますよね。
はい。例えば「瞬殺カレー(p96)」なんかは、テーマを体現したレシピだと思っていて。
冷凍牛丼と水、カレールーを内鍋に入れるだけなんです。材料と作り方の紹介が、わずか一文で完結するほど簡単という。(笑)
実働5分の包丁レスメニューですし、これなら「まる1日お仕事して、ごはんを作る気力も、惣菜を買いに行く体力も残ってない…」なんていうときでも作れるんじゃないかなあと思うんです。
毎日を楽しく過ごして、そこにホットクックの美味しいごはんがあれば最高じゃないですか?
そんな暮らしの助けになるようなレシピを、メインのおかずから、副菜、ごはん、スープ、お菓子、ドリンクまで69品をまとめました。
手に取りやすく、見やすい形にしたかった

ーーどういったきっかけでレシピ本を作られたのですか?
実は、最初は本にするつもりはなかったのです。2023年にX(Twitter)が終了する噂が流れたときに、それまでXに書き溜めていたレシピをSNS以外にも残そうと考え始めたのがきっかけでした。
ブログにまとめようかとも思ったのですが「より手に取りやすく、見やすい形に」と考えていった結果、本が候補になり「商業出版は難しくても自作ならいけるかもしれない」ということでKindle本に落ち着きました。
完成まで全体で3〜4ヶ月はかかりましたね。仕事もしながらだったので、かなり苦労しています(笑)。
ーー見せ方もすごくこだわっていますよね。眺めているだけでも楽しいです。
そうですね。文字がメインにならないよう意識はしました。
私、レシピ本が大好きで100冊以上は持っているんですけど、そのなかで「特に自分が見やすいと感じたもの」を参考にしています。
例えば、レイアウトは「見開き1レシピ」になるよう意識していて(上記の写真参照)。こういうレイアウトのKindle本はあまりなくて、レシピの手前、構成や体裁を考えるだけで2ヶ月はかかりました。レシピの執筆はそのあとなので、完成したときの達成感はすごかったです。
「手に取りやすく、見やすい形に」まとめられたと思っています。ぜひ、スマホやタブレットを横向きにして読んでみてもらえたら嬉しいです。
ちなみに、全ページ印刷された購入者さんもいて驚きました。(笑)
たしかに紙の本ならではの使いやすさってありますよね。機会があれば紙でも出せたらと思っています。
まずは「鶏と新玉ねぎの無水煮込み」を作ってほしい

ーー「まずはこれを作ってほしい!」というおすすめレシピを教えてください。
「鶏と新玉ねぎの無水煮込み(p4)」を試してみてほしいです。
新玉ねぎをザクザクと輪切りにして、冷凍の鶏モモ1枚とバター、ニンニク、塩、コショウと一緒に内鍋に入れるだけ。
実働10分ほどで作れるお手軽メニューなのですが、鶏肉はホロホロ、玉ねぎもトロトロで、何より無水なのにスープたっぷりになっていてと、びっくりするくらい美味しく仕上がります。
ホットクックは炒める・蒸すなど色々な調理にも使えますが、やっぱり一番の得意料理は煮込み。「これぞホットクックの本領発揮!」なメニューだと思います。
レシピはXでも公開しているので、お口にあったらコメントや引用リポストで感想をいただけると嬉しいです!
ホットクックと仲良くなれていない方に

ーーどんな人にこの本を手に取ってほしいですか?
ホットクックを買ってみたけれど、いまいち上手く作れない。どう活用すればいいのか分からない。
そんな「ホットクックと仲良くなれていない方」におすすめしたいです。
この本は、レシピ集としてだけでなく「ホットクックの使い方を提案する本」としても読んでいただきたくて。例えば、お味噌汁のレシピをわざわざ載せているのは「そうか、ホットクックってお味噌汁を作るためだけに使ってもいいんだ」と思ってもらいたかったからなんです。
「ホットクックでこれを作ろう!」だけではなくって「自分の代わりにお味噌汁をホットクックにお任せしよう」みたいな感じで、毎日の食事の支度を少しだけラクにしてくれる相棒としても付き合えると、ホットクックともっと仲良くなれると思います。
頑張りすぎないで頼れるものは頼りましょう!
ーー納得です。加えて、とても簡単で美味しく、映えるレシピばかりなので、料理が苦手な方にもおすすめできる本だと思いました。まさしくホットクックと仲良くなれる本だなあと。
はい。「料理が苦手で、ホットクックを買ったけど、結局置き物になってしまっている」という方にも読んでもらえたら嬉しいです。
そう、料理が苦手な方にこそ、もっと気軽にホットクックを活用してみてほしくって。
普通のレシピ本だと「中火で5分加熱」は作る人によって変わるじゃないですか。鍋の大きさとか、コンロの火力とかは、人によって違うので、同じ加熱状態にならないんですよね。だからレシピのとおりに作っても失敗してしまうことがあるんですけど。
でも、ホットクックなら「煮物5分」は誰がどう作っても絶対に「煮物5分」になるので、分量や手順さえしっかり守れば、レシピ作者さんと同じ仕上がりになります。
料理が苦手な方にとって、これはメリットだと思っています。
次回作は「ホットクック500円チャレンジ」

ーー今後の活動や次回作のご予定があれば教えてください。
2024年末に、私のXで「#ホットクック500円チャレンジ」という企画をしていたんですけど、これをまとめて次回作にしたいなあと思っています。
- 2人分の夕食を作る
- 調理方法はホットクックしばり
- お米以外の材料費は500円まで
- 平日5日間x4週間にわたって挑戦
2025年の夏までには出版しようと考えているので、もし無事に出せたら、またお読みいただけるとうれしいです!
それから、いつかXのホットクックアカウントのみんなでレシピ本を出すのも夢です!きっと最強のレシピ本になるはず。
ーーいろいろお聞かせいただきありがとうございました!最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします。
重ねてになりますが「頑張らないホットクックレシピ」をご購読いただいたみなさん、本当にありがとうございます。
SNSでの「作ったよ」「美味しかったよ」のコメントが励みになり、ここまで続けてこられました。いつも交流してくださっている方には感謝しかありません。ファボもとってもうれしいです。
プロでも何でもないただの食いしん坊ですが、これからも投稿を続けていけたらと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
頑張らないホットクックレシピについて(著書紹介)
SNS発!ホットクックのレシピ本の決定版!
SNSで発信しているホットクックレシピを一冊の本にまとめました。
メイン、副菜、ごはんもの、パスタ、スープ、パン、デザートからホットクックの使いこなしまで完全網羅!
1冊あればとても便利なホットクックレシピの決定版です。
・2024年8月10日発売
・166ページの大ボリューム
・「もっとクック」など最新レシピにも対応
・Kindle unlimitedでも配信中(会員なら無料で読めます)
