こんにちは。ホットクックで遊ぶたろすけさん家です。
今回は、2024年発売の新型「ホットクックwithシリーズ(以下ホットクックwith)」のレビューをお届けします。
ホットクックwithは、ホットクックのアイデンティティでもある「自動かき混ぜ機能」を廃した異色のモデル。
「ホットクックなのに、ほっとけない」ということで賛否両論ありそうですが、実際の仕様や使い心地はどうなのか。ホットクック2台持ちで毎日フル回転のヘビーユーザー目線で正直にお話ししていきます。
結論:ホットクックwithは使う人・使う場面を選ぶ
スペックなどなどのお話をする前に、結論をお伝えします。
我が家的には、ホットクックwithは「使う人を選ぶ機種」であり、かつ「適合する人は多くないのでは?」と思いました。
具体的には以下のとおりです。
どうしてこう思ったのか、詳しく機種についてレビューしながら説明していきます。
ホットクックwithとは
ホットクックwithは、2024年1月に発売されたホットクックの新型モデル。サイズは1.6Lのみ、カラーもブラックの1色だけで、しかも自動調理メニュー数は100品で無線LANは非対応とミニマムなスペックです。
ホットクックwithの一番の特徴は「自動かき混ぜ」をなくしたところ。代わりに「まぜナビ」という調理中にかき混ぜるタイミングやコツをアドバイスしてくれる機能が搭載されています。(まぜ技ユニットは付属していません)
つまり、「ユーザーが自分の手でかき混ぜること」がコンセプトになっているんですね。(「ほっとけないホットクック」とはこのこと)
全自動ではないぶん大幅なコストダウンが図られており、市場想定価格は39,000円と、従来のモデル60,000円程度に対してリーズナブルになっています。
「with」は「ホットクックと一緒に」という意味で、ホットクックと一緒に作り、一緒に楽しむことを提案しているのだそうです。
細かなスペックについては以下をご参照ください。
電源 | AC 100V 50-60Hz 共用 |
---|---|
定格消費電力 | 600W |
調理容量 | 1.6L |
満水容量 | 3.4L |
設定温度(発酵・低温調理) | 35~90℃※1 |
最大予約設定時間 | 15時間(ごはん類※2は12時間) |
保温 | 最大12時間 |
外形寸法 | 幅316mm×奥行308mm×高さ221mm |
質量 | 約3.9kg |
電源コードの長さ | 約1.4m(マグネットプラグ方式) |
掲載メニュー数 | 100(自動メニュー90 / 手動メニュー10) |
ホットクックwithの特徴をレビュー
では、ここからwithの特徴を詳しく見ていきましょう。個人的にポイントに感じたところを6点ほど、ざーっとあげてみます。
特徴1.自分でかき混ぜる「ほっとけないホットクック」
従来のホットクックは、材料を入れてボタンを押せば一品完成。加熱もかき混ぜもすべておまかせできるのが魅力でした。
しかし、ホットクックwithにはその機能はなく、調理途中でユーザー自身がかき混ぜなければなりません。(そもそもかき混ぜが不要なメニューであれば不要)
では、どのようにかき混ぜるのか?ということで、当機種に初めて搭載されたのが「まぜナビ」です。これはかき混ぜるタイミングやコツを画面でアドバイスしてくれるという機能で、加熱が進んで「かき混ぜ時」を迎えると報知音とともに以下の写真のように指示を出してくれます。
これに従うことで、料理を美味しく仕上げられるというわけです。
「材料を切ったり味付けしたりは問題ないけれど、どうにも火加減が苦手で、いつも料理を焦がしてしまう」という方には、フライパンや鍋代わりの良いパートナーになるかもしれません。(実際にやってみてどうだったかは、記事後半でお話しします)
ただし、自分でかき混ぜなければならないため、料理完成までほっとくことはできません。その点、旧来のホットクックの醍醐味感はちょっと薄れてはいます。
特徴2.メニューのレパートリーは少なめ
上述したように、かき混ぜ機能の廃止もあってか、ホットクックwithのメニュー数は少なめです。
同じ2024年発売のかき混ぜ可能モデル「KN-HW24H」では自動メニュー161品+無線LANメニューで数百品ほどを作れるのに対し、今回のwithは自動メニュー90品にとどまっています。しかも、無線LANメニューは非対応で利用できません。
ある程度、ホットクックの勘所がある人であれば、手動調理メニューを使って色々とレパートリーを広げることもできますが、この機種がホットクックデビューとなる場合、ちょっとメニューの少なさに物足りなさを感じる可能性はありそうです。
特徴3.ホットクック初のフロントパネルを採用
次に外観です。今回のホットクックwithは、操作パネルが天面から前面に移動しています。(この形はホットクックシリーズ初)
実際に触ってみていますが、慣れもあるとは思いつつ、個人的には少し操作しづらい印象を受けています。
我が家がホットクックを立って操作するからというのもありますが、天面にパネルがあった方がボタンも押しやすく、モニターも見やすかったです。というのも、フロントパネルだと一歩下がり、かがんで操作をしなければならないのですよね(写真)。狭いキッチンでは少し操作しづらい印象です。
もう少し、炊飯器のようにパネルが上向きの角度になっていれば、また違ったかもしれません。
特徴4.従来のホットクックと比べ、圧倒的に軽い
とにかく軽いのもホットクックwithの特徴です。
公式情報によると、ホットクックwithの重さは約3.9kgと1人用の1.0LモデルKN-HW10G(約3.7kg)とほぼ同じ。従来の1.6L、2.4Lのホットクックが約5〜6kgあることを考えると、相当軽くなっています。
これはホットクックの利用場所と置き場所が異なる場合には嬉しいポイントだと思っていて、たとえば「普段は収納場所に置いておいて、使うときだけキッチンに持ってくる」といった使い方をする際にはメリットだと思います。また、両サイドの持ち手も改良されていて、指にフィットして持ち運びもしやすくなっているのも素晴らしいです。
ただその一方で、この軽さはフロントパネルとの相性が悪く…。ボタンを押すとホットクックが少し後ろに動いてしまうことがある点はちょっと気になりました。(男性のたろ夫、女性のたろすけ、どちらの場合も動いてしまいました)
特徴5.メンテナンスがしやすい
最後にピックするのは、メンテナンスのしやすさ。各パーツに工夫と進化が見られます。
まず、つゆ受け。ご覧のとおり格段に大きくなり、かつ洗いやすい形状に進化しました。21年発売のG型2.4Lのものよりも大きく、これならあふれる心配もないなと感じています。また形も工夫が施されていて、従来のものは奥まっていてスポンジで洗いにくかったのですが、withのものならストレスなく洗えます。ここは素晴らしい改善だと思いました。
次に蒸気口です。こちらは過去一番の小ささ。これなら食洗機のスペースを取らずに済みますね。(むしろ、なくさないように注意が必要かもしれません)
また、内蓋もまぜ技ユニットがないため、非常にシンプルな形状になっています。パッキンも必要最低限なので、洗い物がしやすく、汚れも目立ちにくいです。
加えて、内釜にも工夫が施されており、持ち手の部分の窪みが浅く、拭き掃除がしやすいのも好印象。内鍋もとても取り出しやすかったです。
ただ、熱板部分はH型で実装されたメンテしやすい黒タイプ(ラックリーンコート)ではなく、G型までのものと同様のシルバータイプの旧式でした。ここもラックリーンコートであればメンテのしやすさまわりは完璧だったのですが…。
特徴6.おしゃべりしない
従来のホットクックはとにかくよくしゃべります。操作や調理ガイド以外にも、調理中に「美味しくできますように」「一生懸命作っています」といったセリフをよく言うので、それはそれで愛着がわいて可愛らしさがあります。…が、今回のホットクックwithは、おしゃべり機能はありません。
「ピッ」「ピーピー」といったアラーム音のみなので、従来のおしゃべりに慣れている身からすると、少し雰囲気が変わった感じはうけました。
まあ、正直ここは良いも悪いも何もないのですが、ちょっと違いとして気にはなった、ということで紹介でした。
ホットクックwithを使ってみた
では、ここからは、実際にホットクックwithでの調理はどんな感じなのか。「まぜナビ」メニューである、肉じゃが(豚じゃが)を作る工程にそって紹介します。
1.材料を入れるのは同じ
ここは通常のホットクックと同様。内鍋に材料と調味料をどかどかっと入れていきます。
2.「まぜナビ」で調理を開始
蓋を閉め、フロントパネルで肉じゃがをセット。このとき、まぜナビを使うかどうか選択ができます(使わない場合は。かき混ぜなしで調理)。今回はまぜナビを利用しました。
3.かき混ぜタイミングは事前にわかる
ちなみに調理中に「まぜナビ」のボタンを押すと、このようにあと何分後にかき混ぜが発生するのかを確認できます。なので「いつかき混ぜに呼ばれるのか」とドキドキしながら待つ必要はありません。
4.かき混ぜタイミングでアラームが鳴る
かき混ぜのタイミングがくると、アラームの報知音がなります。ふたをあけていきます。
5.蓋を開け、手でかき混ぜる
こちらが蓋を開けたところ。かき混ぜ前です。じゃがいもやお肉に加熱のムラがあります。
6.まぜ終えたら調理再開
指示にしたがって、上下をひっくり返すようにかき混ぜてみました。火のとおりが悪いものが下に行くように少し気を使いました。このあと蓋をして、加熱を再開します。
7.加熱が終了
加熱が終わりました。とても良い香りがしますが、さて、どうなっているでしょうか。
8.できあがり
できあがってフタを開けたときがこちら。一見良い感じに見えますが、やはりじゃがいもの火加減に差があるようです。
加熱のムラがみられた
わかりやすいよう加熱ムラがあった部分を取り出してみました。一度手でかき混ぜただけなので、このあたりの加熱バランスにはどうしても差が出てしまう側面はありそうです。ここをケアしようと思うと、かなり神経質にかき混ぜないといけないので、気持ちの面での負荷が大きい気がしました。。
お味は問題なし
お味は問題なく、ちゃんと美味しかったです。ここはさすがのホットクック。根菜が甘くて最高でした。
ホットクックwithの感想
割高感あり。従来のかき混ぜモデルを持っているor買える人には不向きかも
忖度なしの正直な感想を言うと、すでに従来のかき混ぜ機能付きのホットクックを持っている、もしくは買える予算がある人には、ホットクックwithは不要かもしれません。
たしかにホットクックwithは「手動調理の鍋」から「従来の自動かき混ぜができるホットクック」に移行するための第一歩にはなります。…がしかし、悪く言えば、中途半端な位置付けのマシンでもあるとも思います。
現状39,000円という価格帯で、かき混ぜもできず、ほったらかしにもできず、メニューも増えていかないというのは、やはり割高で、検討に際してはネックになるんじゃないかなあと思います。「まぜナビ」にあわせて自分でかき混ぜるメリットも、現時点ではそこまで大きく感じられていません。すでに自動かき混ぜのホットクックを知ってしまっているのもあるかとは思いますが…。
2021年発売の型落ちモデル(G型1.6L)が、安いサイトなら同価格帯で購入できるので、同じ金額を払うならそちらをおすすめしたいな…というのが正直な気持ちです。
輝く使い方もあるかもしれない
ただ、単純に我が家がポテンシャルを引き出せていないだけでは?という気もしています。
料理によっては「途中で手でかき混ぜられる」ことが大きなメリットになるケースもあると思っていて。もしかしたら、まぜ技ユニットにお任せするよりも、よい仕上がりになる「withだからこその得意料理」みたいなものもあるのかもしれません。
このあたりは、今後、いろいろな料理を作ってみて探求していけたらと思っています。(また何かわかりましたら報告します)
現時点では、炊飯・汁物・蒸し物に特化した「サブ機」か
おそらく我が家では、当面ホットクックwithをサブ機として使うことになりそうです。
炊飯や汁物、蒸し物など、かき混ぜを必要としないメニューに限定すれば、軽くて使いやすく、メンテもしやすいのでアリだとみています。
現時点ではメイン機としては物足りないのが本音ですが、サブ機としては十分に活躍してくれるかなと思っています。
まとめ
ということで、今回はホットクックwithについて紹介してきました。冒頭のまとめを再掲すると以下のとおりです。
ホットクックwithは、従来のかき混ぜ機能付きのホットクックとは異なる、まったく新しいコンセプトの製品です。個人的には、価格に対しては割高な印象が強く、だいぶ辛めのレビューにはなってしまいましたが…。これがユーザーの皆さんにどう受け止められるのか、今後も観察していけたらと思っています。
使うなかで気づいたことなどがあれば、随時ブログなどで発信していきます。
お読みいただきありがとうございました。
ホットクックのお試しならRentioがおすすめ
ちなみに、ホットクックwithや、既存のホットクックが気になるけれど、購入を迷っている…という方には、家電レンタルサービスがおすすめ。例えば、Rentio(レンティオ)ならホットクックwithを月額1,800円でレンタルできます(2024年12月時点)。しかもキャンペーンが走っていれば、初月無料にもなります。(今回、我が家もレンティオでお借りしました)
気に入ればそのまま買い取って継続利用もできるので、一度試しに使ってから判断したいという方にはピッタリかと思います。利用方法については以下の記事でも詳しく説明していますので、よかったらあわせてお読みください。